肺炎球菌について
肺炎球菌は、体力が落ちている人や高齢のため免疫力が弱くなってきた人にいろいろな病気を引き起こす原因になります。肺炎球菌が引き起こす主な病気には、肺炎、 気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。
65歳以上の高齢者では、肺炎による死亡率は、がん、心臓病、脳卒中に次いで第4位となっています。 また、ペニシリンなどの抗生物質に対する耐性菌が増えているため、治療が困難になってきていますので、 肺炎球菌ワクチンによる予防がますます大切です。
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)
肺炎球菌には80種類以上の型がありますが、このワクチンはそのうちの23種類の型に対して免疫をつけることが出来ます。これで肺炎球菌による感染症の80%を予防することができるといわれています。一度接種すると効果は5年以上持続します。
接種対象者は、2歳以上で、肺炎球菌による重篤な疾患に罹患する危険が高い人です。1回0.5mLを筋肉内または皮下に注射します。
肺炎球菌により重篤な疾患に罹患する危険の高い人とは
- 脾臓の摘出手術を受けた人(保険適応)
- 慢性の心疾患・呼吸器疾患のある人
- 腎不全、肝機能障害、糖尿病のある人
- 高齢者(65歳以上)
- 免疫抑制剤の治療を予定されている人
- アルコール依存症(過去も)
- 免疫不全症のある人 など
高齢の方の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の予防接種については、2014年10月1日から定期接種となりました。定期接種の対象者は毎年異なるため、接種の機会を逃さないようご注意ください。
対象は、その年度に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳となる方と、接種日に60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障がいを有する方(身体障がい者手帳1級相当)です。
※過去に肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)の接種を受けたことがある方は定期接種の対象となりません。
2回目の接種をすると反応が強くでることがあるので、再接種はしないことになっていましたが、2009年10月から再接種が可能となりました。再接種は任意接種となるため全額自費です。
ワクチンの副反応について
接種後に注射部位の腫れや、痛み、ときに軽い発熱が見られることがありますが、 日常生活に差し支えるほどのものではありません。通常1~2日で消失します。多くのデータにより、安全に接種できることが確認されています。
しゃくど循環器・内科では
- 通院中のご高齢の方を中心として、インフルエンザワクチン接種に加えて、肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)接種をお勧めしています。
- 予約制で実施します。
- 65歳以上の高齢者など一部の市民は定期接種となり大阪市からの補助がありますので、4,300円です(2020年)。市民税非課税世帯など接種費用が免除される場合もあります。大阪市のホームページにてご確認ください。
- 定期接種以外の方は任意接種となり、7,700円です(2020年)。
- 特殊な極細針の注射器を使用して注射時の痛みの軽減に努めています。