麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種について

麻疹(麻しん)、風疹(風しん)ワクチンの定期予防接種の対象は、以下のとおりです。
・第1期 1歳
・第2期 小学校入学前年度の1年間
・第3期 中学1年生相当世代(2013年3月末で終了しました)
・第4期 高校3年生相当世代(2013年3月末で終了しました)
・第5期 昭和37年4月2日から昭和54年4月1日の間に生まれた男性(2022年3月末まで)

 2007年に10代、20代を中心とした年齢層に麻疹(はしか)が大流行したことを受けて、国は、2008年度より5年間を麻疹排除のための対策期間と位置づけ、時限措置として中学1年生及び高校3年生の年齢相当に当たる方を対象者として定期予防接種を実施しましたが、2013年3月末で終了しました。
 2019年2月1日付けで予防接種法施行令の一部が改正され、風疹の第5期の予防接種が定期接種になりました。これまで予防接種法に基づく定期接種を受ける機会がなく、抗体保有率が他の世代に比べて低い、1962(昭和37)年4月2日~1979(昭和54)年4月1日生まれの男性を対象とした、風疹の追加的対策として実施されるもので、2019年4月から2022年3月末までの期間限定です。

 定期予防接種の対象でない方も、希望により任意接種を受けることができます。麻疹(麻しん)、風疹(風しん)の単抗原ワクチンまたは麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)を一度も受けておられない方はもちろん、今までにすでに接種したことがある方も、2回目の接種として、体調のよいときを選んで受けましょう。

 麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)のどちらかに罹ったことのある方でも麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)の接種が可能です。(麻疹・風疹の両方にかかった方は予防接種を受ける必要がありません)

しゃくど循環器・内科では、

  • 第1期・第2期の麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)定期接種は行っておりません。
  • 第5期の定期接種の費用は、無料です(大阪市から発行されたクーポン券と住所がわかる身分証を持参された場合)。第5期の定期接種やクーポンの詳細については、大阪市のホームページでご確認ください。
  • 任意接種の費用についてはお問い合わせください。大阪市では、「妊娠を希望する女性」「妊娠を希望する女性の配偶者」「妊婦の配偶者」の風疹ワクチン接種費用については公費助成がありますので大阪市のホームページにてご確認ください。
  • あらかじめご予約ください。
  • 特殊な極細針の注射器を使用して注射時の痛みの軽減に努めています。

予防接種の効果と副反応について

1.予防接種の効果について

 予防接種を受けたお子さんのうち、95%以上が免疫を獲得することができます。体内に免疫ができると、麻疹や風疹にかかることを 防ぐことができます。

2.麻疹・風疹混合ワクチンの主な副反応

 予防接種により軽い副反応が見られることがあります。また、極めて稀ですが、重い副反応が起こることがあります。
 主な副反応は、発熱(接種した者のうち20%程度)や、発疹(接種した者のうち10%程度)です。これらの症状は、接種後5~14日の間に多くみられます。接種直後から翌日に過敏症と考えられる発熱、発疹、掻痒(かゆみ)などが見られることがありますが、これらの症状は通常1~3日でおさまります。時に、接種部位の発赤、腫れ、硬結(しこり)、リンパ節の腫れ等がみられることがありますが、いずれも 一過性で通常数日中に消失します。
 稀に生じる重い副反応としては、アナフィラキシー様症状(ショック、じんましん、呼吸困難など)、急性血小板減少性紫斑病(紫斑, 鼻出血,口腔粘膜の出血等)、脳炎およびけいれん等が報告されています。

麻疹・風疹の症状について

1.麻疹

 麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスの空気感染・飛沫感染・接触感染によって発症します。ウイルスに感染後、無症状の時期(潜伏期間)が 約10~12日続きます。その後症状が出始めますが、主な症状は、発熱、せき、鼻水、めやに、赤い発疹です。症状が出始めてから3~4日間は38度前後の熱と咳と鼻汁、目やにが続き、一時熱が下がりかけたかと思うと、また、39~40度前後の高熱となり、首筋や顔などから赤い発疹が出はじめ、その後発疹は全身に広がります。高熱は3~4日で解熱し、次第に発疹も消失しますが、しばらく色素沈着が残ります。
 合併症を引き起こすことが30%程度あり、主な合併症には、気管支炎、肺炎、中耳炎、脳炎などがあります。発生する割合は麻疹患者100人中、中耳炎は約7~9人、肺炎は約6人です。脳炎は約1000人に1人の割合で発生が見られます。
 また、麻疹にかかると数年から10数年経過した後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という重い脳炎を発症することがあります。これは、麻疹にかかったもののうち約10万人に1人の割合で見られます。
 麻疹(はしか)にかかった人のうち、1000人に1人程度の割合で死亡することがあります。

2.風疹

 風疹は風疹ウイルスの飛沫感染によって発症します。ウイルスに感染してもすぐには症状が出ず、約14~21日の潜伏期間が見られます。その後、麻疹より淡い色の赤い発疹、発熱、首のうしろのリンパ節がはれるなどが主な症状として現れます。また、そのほかに、咳、鼻汁、目が赤くなる(眼球結膜の充血)などの症状が見られることもあります。子供の場合、発疹も熱も3日程度で治ることが多いので「3日ばしか」と 呼ばれることがあります。合併症としては関節痛、血小板減少性紫斑病、脳炎などが報告されています。大人になってからかかると子供のときより重症化する傾向が見られます。
 妊婦が妊娠早期に風疹にかかると、先天性風疹症候群と呼ばれる病気により、心臓病、白内障、聴力障害などの障害を持った赤ちゃんが生まれる可能性があります。