動脈硬化の程度を直接見ることができる検査です。首筋を走る頚動脈は動脈の中では比較的太い血管で あるにもかかわらず、体表から浅いところ走っているので観察しやすいのです。頸動脈を観察して大きな異常が 見られるということは、全身の動脈に同じような異常があると想像できます。

 頸動脈エコー検査とは、人体に無害な超音波を使って 動脈の壁の状態を観察する検査で、動脈硬化の指標である『内膜中膜複合体肥厚度(IMT)』という動脈硬化に欠かせない 指標の一つを計測します。動脈硬化は老化現象の一つでもありますので、健康な成人でも徐々に動脈硬化は進行します。しかし、糖尿病などの危険因子がなければ、IMTが1.1mmを超えることはありません。また、さらに進行した動脈硬化では血管の内腔が狭くなってきます。このような血管の様子を頸動脈エコーで観察します。

 頸動脈の病変は、高血圧や高脂血症、喫煙習慣、糖尿病といった危険因子と強く関連することが明らかになっています。

当院の頚動脈エコー図検査の特徴

  • 超音波検査のエキスパートである院長が検査を行います。
  • 暫定的な結果を検査終了直後に収録した画像をお見せしながらご説明します。
  • 収録画像をコンピュータで管理していますので、以前の検査画像をいつでも参照することが可能です。

 当院では心臓病を専門とする院長が検査を行います。病院では検査から患者さんに説明するまでに最低でも 1週間程度はかかりますが、当院では、暫定的な結果についてはすぐにお話できます。詳細な計測や計算が必要な場合の説明や報告書の作成は即時には行えませんが、多くの場合では検査終了時に検査結果の概要(暫定的な結果)をお話できます。

この検査でわかること

  • 頸動脈の動脈硬化の程度
  • 頸動脈の狭窄病変や血栓の有無
  • 頭蓋内動脈での狭窄病変の有無の推定
  • 頸動脈を『全身の血管の窓』として観察

検査の方法

  • 検査時に使用するゼリーが付かないよう、襟のある衣服は脱いでいただきます。
  • 左右の頸部に超音波探触子をあてて観察します。その際、よく見えるようにゼリーを塗布します。

検査時間

  • 検査の目的や病変の有無によって検査時間は変わりますが、一般的には15分~30分です。
  • 通常は予約検査として行います。